雨があがりました。風がみどりに香るころになると思い浮かぶのがアリソン・アトリーの「チムラビットのぼうけん」です。子どもたちがたくさん絵本を読んでいよいよ「物語」をいう頃にお勧めしています。自分で本を読むようになったころに丁度良いかとおもいますが、お母さんに読んでもうのもうれしい作品です。
「こうさぎのチム」の外の世界の新しいものとの出会いや、でくわす自然のなかの小さなできごとや驚きがなんともたのしいです。かぜがひゅうひゅう雨がざあざあ降ってきてしまった日のこと、はじめて虹を見た日のこと、小さな動物との出会い、子どもたちはみずみずしい感性で自分のはじめての経験とチムをかさねあわせるのでしょうね。あたたかさと日々の暮らしのささやかなしあわせをたっぷりたのしむことができます。中川宗弥さんのさし絵もなんとも魅力です、細い線で描がれたチムの愛らしい姿がまさしくチムそのものです。チムをつつみこむようになお母さんのやさしさもかかせません。
