子どもの本や 阿佐ヶ谷日記  2

東京都杉並区阿佐ヶ谷南1-47-7 03-3314-3455「子どもの本や」では、子どもが心から楽しめる選り抜きの本ばかりを揃えています。

「私の中の自由な美術」光村図書 本を読みたい季節ですね。

涼しくなったくると本を読みたくなります。最近、友人の感想をきいてすぐに読みはじめ暫く手ばなすことができなくなった一冊です。

子どもの美術鑑賞について詳しい上野行一氏の本です。絵画を前にした子どもたちの素直な反応や感想、大学の授業での大学生達の絵についての話しあいなどの様子も興味ぶかく書かれており、日頃の美術の鑑賞の仕方についてー専門的な知識をしってみる見方やただただ作品に魅せられるという見方ではなく、鑑賞する者が自由に絵を見てその世界に入り込んで自分なりにその意味に気づいたり細部にわたってゆっくりみて考えることで、その作品に本質に近づく。子どもたちであれば、自由にみて気づいたことや作品に対する思い考えを明しあうことで対象の作品のみかたを広げることについても書かれている。
 これまで、絵は自由にみたい自由に感じたいと思っていたが、とりあげられている絵画が皆今までに展覧会で見たことのある作品であったにもかかわらず「私の中の自由な美術」の本文を読みながら掲載されている絵をみてはゆっくりと考え感じ話す機会になり深いところで満足感を味わいました。
これは、普段本(物語やファンタジー)を読んで作者の意図を感じたり細かい描写を自分の中で思い描いてたのしんだり登場人物にだれかに自分を重ね合わせたりして作品を楽しんだ時の満たされた気持ちと似ているようにも思えました。