子どもの本や 阿佐ヶ谷日記  2

東京都杉並区阿佐ヶ谷南1-47-7 03-3314-3455「子どもの本や」では、子どもが心から楽しめる選り抜きの本ばかりを揃えています。

ねじり花がさきました。

雨にぬれた紫陽花が輝いています。この時期いちばんうれしいのは庭に一斉にねじり花が咲き始めることです。雑草取りもひかえてねじりばなをまちます。皆さまお変わりありませんか。私たちは当時者ではないのに、この度の一連の悲しい出来事そしてさきのみえなさに気が晴れることがありませんね。そして被災者の方々の御苦労はいかばかりかと心が痛みます。


店にいて嬉しいことは、小さいお客様のご来店です。ポニーテールの一年生くらいの女の子はちっちゃい弟と妹と一緒に店にはいってきました。長いこと店番していてわかるのは本好きの方です。本好きの子は、すぐに本をてにとって熱心によみだしますから。彼女が手にとって読みだしたのは「海のおばけオーリー」です。たのしそうに絵本のはなしをしていたお父さまがもう少しで読み終わりそうなその本と、小さなおこさんようにと「せんろはつづくよ」岩波書店を買っていかれました。


「海のおばけオーリー」マーリー・ホール・エッツ作 岩波書店
アザラシのオーリーは、おかあさんとはなればなれになってしまいます。遠くの町の水族館にいったオーリーですがお母さんが恋いしくってたまりません。やさしい飼育員さんにであいますが・・オーリーは川をくだりいくつもの湖をへておかあさんのところへむかいます・・・。




 
・・・・・・・・・・・・・・子どもの本やの6月のお便り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ルピナスさん」ほるぷ出版ルピナスさんは海をみおろす丘の上の小さな家にすんでいるおばあさんです。小さい頃はアリスと呼ばれていました。毎晩おじいさんから遠い国々のはなしを聞いて育ったアリスは大人になってから図書館ではたらくようになり、そこで遠い国々について書いている本をたくさん読みました。世界中の国々を旅行してわすれられない人たちともおおぜいあったアリスは、やがて海の見える家に腰を落ち着けるのですが、病気になり長い間ベットの上ですごさなければいけなくなります。ベットから窓辺に美しく咲くルピナスの花をみたアリスはおじいさんとかわした「世の中をもっと美しくするためになにかする」という約束を思い出します。起き上がれるようになるとアリスは、夏の間じゅうルピナスの花の種をあちこちにまいて歩きました。
つぎの春がくると村じゅうにルピナスの花があふれて・・。
・・・・・「世の中をもっと美しくするためになにかしなくては」と。 この絵本は作者のクーニーが65才の時に描いたものだそうですが、「ロバのおうじ」「にぐるまひいて」ほるぷ出版などたくさんのすてきな絵本を世に出した作者の子どもたちへの心からのメッセージなのでしょうね。