子どもの本や 阿佐ヶ谷日記  2

東京都杉並区阿佐ヶ谷南1-47-7 03-3314-3455「子どもの本や」では、子どもが心から楽しめる選り抜きの本ばかりを揃えています。

アンサウン・スー・チーさんの「ビルマからの手紙'」と「新ビルマからの手紙」毎日新聞社

が明るく晴れ渡り、盛りを少し過ぎた桜に新しい葉がでてきています。その柔らかい緑色とのあおいろのコントラストはまさに絶妙です。そして風に吹かれ桜の花がいっきにちるときの美しさと言ったらありません。なにがあっても季節の美しさひたることになります。今日はそんな日です。





アウンサン・スー・チーさんが新聞に連載しておられた「ビルマからの手紙 2011」が「新ビルマからの手紙」として出版されました。
スー・チーさんが補欠選挙で勝利し「新しい時代の幕開けとなることを望む」と述べられたとのニュースがながれました。つねに凛として気品にあふれ美しいスー・チーさんの髪には白い花がかざられていました。ミャンマー(ビルマ)では、徐々に民主化への期待が膨らんでいるようです。

 スー・チーさんは1988年に民主化運動を率い、計15年以上にわたり軍事勢力により軟禁されておられました。この間に、書かれたのが一作目の「ビルマからの手紙」で(1996年に出版)されていて今回「増補版 ビルマからの手紙」あらたに3編を加えて久しぶりに再版されてこちらも手に入るようになりました。はじめて、この本を手にした時の、過酷な状況にあっても変わらないやわらかな女性らしさとしなやかでいて決して曲げられることのない強さにふれ、また人へのあたたかいかかわりと強い想いに心うたれました。

毎日新聞の紙面で読んだ方も多いかと思いますが、「新ビルマからの手紙1997〜1998 2011」には昨年の震災の被害者にあてた他では見たことがないようなあたたかいメッセージもおさめられています。どれだけの人がこのスー・チー氏のメッセージで胸を熱くしたことでしょう。
本文では、ビルマの暮らしスーチーさんの生活をかいまみて楽しみますが、またまさに現在世界でおこっている歴史のⅠページを目の前でみて知り考えることになります。本文ももちろんですが、この記事の掲載を依頼する折のミャンマー(ビルマ)での毎日新聞記者の働きを記された「あとがき」がまたとてもいいのです。
若い方々にも是非読んでいただきたい作品です。