子どもの本や 阿佐ヶ谷日記  2

東京都杉並区阿佐ヶ谷南1-47-7 03-3314-3455「子どもの本や」では、子どもが心から楽しめる選り抜きの本ばかりを揃えています。

「げんきなマドレーヌ」「マドレーヌといぬ」 と「よくぞごぶじで!」 ベーメルマンス作

子どもの本やお便りより・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
げんきなマドレーヌ」福音館
パリのつたのからんだ古いお屋敷に12人に女の子が先生のミス・クラベルと一緒に暮らしていました。なかでいちばんのおちびさんがマドレーヌ、でもねずみも動物園の虎もへいちゃら。だれよりも元気で勇気のある女の子です。ところが、ある日の真夜中に、マドレーヌがワーワー泣いています。なにごとにも驚かないミスクラベルも、大いそぎでお医者さまにかけつけてもらいます・・。調子のよい言葉にのってお話しがとんとん進みます。
マドレーヌといぬ」コルデコット受賞
橋の欄干をあるいてすべって川におちたマドレーヌを一匹のいぬが勇敢にも川にとびこんで助けてくれました。みんなで犬を連れてかえり、ジュヌビエーブと名をつけてかわいがっていたところなんと学校の評議員たちが「こんなざっしゅをかわいがるなんてよいむすめたちのおひんがさがいます。」とジュヌビエーブを追い出してしまいます。ミス・クラベルト12人の女の子たちは、パリ中あちこちさがしまわるのですが・・。12人の女の子たちが大満足のすてきな決末がまっています。


 天真らんまんなマドレーヌ、頼りになるミス・クラベルその他の登場する人や動物の個性が本当に短いお話しの絵本なのにまるで実際会ったことのある人たちのように、くっきりと心に残っているから不思議です。
自由闊達にそしてしっとりとこくのあるうつくしい色彩で描かれているパリの街の風景や人々の様子からはパリの情緒が醸し出されていて心を誘われます。



よくぞごぶじで」BL出版
昨秋、日本で出版された ベーメルマンスが友人の詩にさし絵を描いた絵本です。今まで知らなかった初めての絵本を手のとるときは、わくわくします。朝焼けのあさにキツネ狩りをしらせるラッパが高らかになり響きおおぜいの人も馬も猟犬たちも胸を高鳴らせてさあ出発です。とここまでのシーンがあまりにすてきなので、これはキツネ狩りをする側のお話しかなと思っていたら次のシーンでは一変してキツネの家族が登場し、狩られるキツネの側からのお話しが語られています。深みのある色彩とスピード感あふれるユーモアたっぷりのさし絵は、やはりベーメルマンスならではです。緑の帽子を粋にかぶった赤色のキツネのいかにも自信たっぷりのしたたかな表情、ぜひみなさんにもみたいただきたいです。(YT)