子どもの本や 阿佐ヶ谷日記  2

東京都杉並区阿佐ヶ谷南1-47-7 03-3314-3455「子どもの本や」では、子どもが心から楽しめる選り抜きの本ばかりを揃えています。

「ひとまねこざる」岩波書店


皆、大好きな「ひとまねこざる」H.A.レイの魅力についてあらためて書くことはないかもしれませんが、子どもたちと本を読んでいて人気があり何冊も読むことがあります。また「ひとまねこざる」は、子どものころたのしんだ記憶のある作品です。そのころは岩波の本は小さい版で、こざるがスバゲティをたべるところが「うどん」をたべたとなっていたのには時代を感じますが本当に愉快で楽しんだ記憶が鮮明です。

 二作目の「ひとまねこざる」では、こざるが動物園を抜け出します。バスの上にのって街を見物、食堂のキッチンでスパゲティをたらふくたべます。親切なコックにつかまって皿洗いを四本の手で器用にこなし、そして、窓ふきのしごとにつくことになるのですが・・。つぎつぎとんでもないことを引き起こしますが、最後にはこざるをアフリカからつれてきた「きいろいぼうしのおじさん」があらわれ、助けてくれます。こざるのすることはまるで私たちが一度はしてみたいようないたずらで・・読んでいても明るく愉快な気分でみたされます。


たまたま、作者H.A.レイ夫妻が「ひとまねこざる」の原稿をたずさえて、第二次大戦中の欧州をパリからマドリードまで自転車を使って逃げ延びブラジルに渡ってそしてアメリカにたどりついたという経緯を書いた絵本を手にしました。それまで、ひとまねこざるのお話があまりに屈託がないのでアメリカの幸せな作家の作品と勝手に思っていたのです。


ともあれ、このとびきり楽しい絵本を是非たくさんの子どもたちに読んでほしいものです。最近、ひとまねこざるの続編のようなお話がたくさんでてしまっていますが・・・作者 H.A.レイの作品がお勧めです。LL
「ひとまねこざるときいろいぼうし」
「ひろまねこざる」
「じてんしゃにのるひとまねこざる」・
「ろけっとこざる」
「たこをあげつひとまねこざる」
「ひとまねこざるびょういんへいく」H.A.レイ 岩波書店