店にいて楽しいのは、わざわざ電車にのって「子どもの本や」に来てくださる方
とお話をする時です。
今日は、ご自宅で文庫をしていらっしゃるNさんと久しぶりお会いしました。Nさん
は、ご自宅のお隣の中学生のお子さんへの贈り物をかいにいらっしゃったのです。
プレゼントを選ぶのは、たのしい作業です。Nさんは私たちとあれやこれや本を手に
とって本について話し・・最後まで「とぶ船」(上・下 岩波少年文庫)か、ボストン
夫人のグリーンノウのシリーズか迷っておられましたが、「グリーン・ノウのお客さま」に
決められました。
「とぶ船」は、ルイス・ヒルダの作品です。ピーターは、一人で歯医者に行った帰りに
店で小さいけれどちょうどほしかった模型の船を見つけます。この船にのってこどもたち
は、時代をこえて冒険をします。石井桃子さんの訳ということもあってかお話の隅々まで
たのしく(小学校高学年以上なら)とても読みやすい一冊です。
また、グリーン・ノウのシリーズは(ルーシー・ボストン作)いつかゆっくり全部の作品
のご紹介ができたらいいのですが・・。
いずれも、グリーン・ノウの屋敷をめぐるお話ですが 「グリーン・ノウのお客さま」は
密林で生れたゴリラのヘンリーと故郷と追われた少年ピンとの心の交流のお話しです。
グリーン・ノウの屋敷は、今も実在する作者のお宅です。
本を開くたびふしぎな魅力にひきこまれ、本物のファンタジーにひたることができます。
この本のプレゼントを受け取った方が、このおはなしをたっぷり楽しんでくださればうれ
しいです。
「とぶ船」上下 岩波少年文庫 ・「グリーン・ノウのお客さま」評論社