もし、大きな靴下にセンダックの絵本が二冊はいっていたら 子どもにとっては
一生忘れられない贈り物になることでしょう。「かいじゅうたちのいるところ」の
あとセンダックが描いたのが、「まよなかのだいどころ」です。
主人公ミッキーはまよなかに騒がしい音でおこされ、そのまま宙をういてたどり
ついたところは まよなかのだいどころです。そこではパン屋さんがよるもねない
でケーキを焼いてます。そしてミッキーは仕上げのミルクをとりに天の川まで小さな
飛行機にのってやっていきます。
背景のニューヨークの夜の街のビルディングや看板は、ビンや缶小麦粉の袋などを
使って描かれており隅から隅まで魅力でいっぱいです。
夜の冒険に出かけたミッキーと一緒に、読み手のこどもたちは夜の世界に飛び出し
ていきます。ミッキーと一緒に天の川までとんでいきミルクをとって、そしてパン屋
にもどり ケーキが焼けるのを見届けます。
あこがれの夜の世界で子どもたちは、自由にとびまわりすっかり開放され自分の
ベットにもどってきます。
いままで、この本をさまざまな場所で読んできましたが一度として子どもたちの
目が輝かなかった記憶はありません。「この本の意味がよく分からない」とおっしゃる
お母様はいらっしゃいました。センダックの絵本は子どもにしか分からない、大人に
なってしまう感じることが難しい世界があるのかもしれません。
「まよなかのだいどころ」モーリス・センダックさく 冨山房