「ブレーメンのおんがくたい」は、昔話の再話です。年をとってお払い箱になってしまったロバ、犬、猫、おんどりがブレーメンで音楽をやろうとたびにでます。途中どろぼうと鉢合わせになり、力を合わせてどろぼうを家から追い出す皆さんご存知のおはなしです。
まずは、フィッシャーのさし絵の色合いに圧倒されます。星の輝く夜空の藍色の美しいこと。
年をとって行き場をなくしてしまったということもはなしテーマですが、フィッシャーの絵は昔話としては明るすぎるくらい明るくきれいです。子どもたちはといえば動物たちがどろぼうをうちまかしてしまうところでとてもわくわくするのでしょうね。
先日、このおはなしのなかに「ぶちころす」という言葉がでてくるのだけれど、子どもにきかせていいのかしら・・という話がありました。昔話のなかには、あんがい残酷な表現もありますね。昔話「三びきのやぎのがらがらどん」の中のわすれられないせりふは・・めだまをでんがく刺し・・「おおかみと七ひきのこやぎ」だってちょっとこわいような場面もありますね。 昔話は無駄がなくそぎおとされていて、飾り気のない暮らし言葉で語られています。こわい場面もありますが、さしせまった危険を自分の持てるもの以上の力をだして立ち向かい解決してしまう主人公に子どもは自分を重ね合わせて元気になるのでしょうね。ずんずんとお話しはすすみ、最後に ちょきん、ぱちん、すとん心地よく終わります。
みな昔話が大好きで、繰り返し楽しみます。