子どもの本や 阿佐ヶ谷日記  2

東京都杉並区阿佐ヶ谷南1-47-7 03-3314-3455「子どもの本や」では、子どもが心から楽しめる選り抜きの本ばかりを揃えています。

「ソフィー・スコットの南極日記」

子どもの本や1月のお便りより       (一部略)

 「スコットの南極日記」  

アリソン・レスター作  小峰書店

ソフィー・スコットは9才の女の子、
パパはオーストラリアの港から南極
のモーソン基地まで、人や荷物を運
ぶ船“オーロラ・オーストラリス号”
の船長さん。こんどそのパパの船で
ソフィーも南極につれていってもら
うことになりました。
 

サッカーグラウンドがはいるくらい
広くて、5かいだてのビルくらい高
い、真っ赤な色のオーロラ・オース
トラリス号の構造や乗組員や南極隊員
のこと、大荒れの海で、ものがふっと
ぶくらい揺れる船中のこと、甲板から
見た氷山の風景やアザラシに
ペンギン、そして基地での猛吹雪、
緑にかがやく光の帯オーロラのこと
などなど、ソフィーは日記に記録しまし
た。まるで横でソフィーのおしゃべりを
聞いているような、気さくな話しことば
で 書かれたソフィーの日記です。
絵と写真がなんとも楽しく、じょうずに
配置されていて、ページのすみずみまで
、読者の興味を引っぱり、ソフィーの
ワクワクする気持や新鮮な驚きや興奮が
伝わってきます。
ソフィーと一緒に極寒の南極を旅した
ような気分になります。
 この絵本の作者はオーストラリアの
児童文学者アリソン・レスターです。
彼女が南極観測隊の研究員として南極で
体験したことが基になっているのですが
その出発から帰国までの6週間、毎日
eメールで、世界各地の学校や家庭に
南極での体験を伝えたとのこと。
そして、そのメールを読んだ子どもたち
が描いた南極の絵が、なんと、この絵本
の中に たくさんあるのだそうです。
氷山の海のアザラシやオットセイの絵、
オーロラのシーン、ユーモラスなペンギン、
それに満天の星空のもと大海原をゆく
オーロラ・オーストラリス号などのチャー
ミングな絵も子どもたちが描いたもののよ
うです。すてきな絵本です!! (YT)











 
〈エンデュアランス号 大漂流〉
エリザベス・コ―ディー・キメル
あすなろ書房
「ソフィー・スコットの南極日記」
の中では、南極にいった有名な探検家
アムンゼンやスコットなどについても
書かれています。この本はその中の一人、
イギリスの探検家シャクルトンが1914年
12月にエンデュアランス(不屈の精神)
号に26人の隊員たちと乗り、南極大陸
をめざすも、氷に阻まれ、ついには船は
氷に押しつぶされてしまいます。
そして出発から二年後、隊員のただの
一人もかけることなくシャクルトン
南極の海から連れもどした奇跡の記録
です。
見ごたえのある写真もたくさんのって
います。これらのフィルムが、数々の
苦難の中で破損されずに持ち帰られた
ことも
奇跡のようです。

 「ソフィー・スコットの南極日記」
の裏表紙の見返しに上

から見た南極大陸の地図が描かれて
います。そこにソフィーは 記して
います。
 『 シャクルトン隊の船〈エンデュ
アランス号〉は、ウェッデル海で氷
におしつぶされた。
それで、氷の上にテントを
はって6ヶ月間過ごし、氷がわれる
と、救命ボートでエレフ
ァント島までいった。そこは無人
だったのでシャクルトンと5人の隊員
が小さなボートでサウスジョージア島
までいき、やっとのことで救助の人
たちを エレファント島までつれて
きた。そのおかげで隊員が全員た
すかった。サラが「世界で いち
ばんすばらしい冒険物語よ」と言った 』
 高学年ぐらいの男の子たちが 大好き
な本です。         (YT)