子どもの本や 阿佐ヶ谷日記  2

東京都杉並区阿佐ヶ谷南1-47-7 03-3314-3455「子どもの本や」では、子どもが心から楽しめる選り抜きの本ばかりを揃えています。

バーニンガムのちいさいえほん  冨山房  

☆ 嬉しい再版のお知らせです!! ☆

 

 

 子どもの本やのお便りより (中略)

 

〈 バーニンガムのちいさいえほん 〉 冨山房 ジョン・バーニンガム作 

           

小さな子どもの手に丁度よい16.5cm×16㎝ の小さな絵本のシリーズです。全部で8冊のうちの品切れだった 「ゆき」「いぬ」「うさぎ」「とだな」「がっこう」「もうふ」6冊が再版されて、ようやく全冊が揃いました。
            

どれも小さな男の子“ぼく”の視点から、のびやかな子どもの日常が描かれています。左のページには 一行か二行の短い文だけ、右のページは 穏やかな色彩と線で描かれたさし絵。余計な説明のない簡潔な文章と、さし絵の“ぼく”のちょっとしたしぐさや表情から子どもが感じているさみしさや不満、あこがれや嬉しさなどの感情や心の動きがそのままに伝わってきます。
余白の多い一見地味な絵本ですし、子どもの心の内側まで描かれているので、ごく幼い子どもには少し複雑すぎるのではと思っていたのですが、子どもたちはむしろ「うさこちゃん」のシリーズを楽しむより先にこのシリーズが好きになるようです。二才くらいのこどもであっても私たちと同じように、またはそれ以上に、ちょっとさみしかったり怒ったり、満足したりと色々なことを思ったり感じたりしているのですから、そして
幼いからこそ、自分のことばでは説明できない微妙な心の動きを描いていてくれるのですから、好きになるのはあたり前かもしれませんね。この本のほんとうの良さを まだちょっと赤ちゃんのにおいが残っているような小さな子どもたちから 教えてもらいました。

 

 


〈 キバラカと魔法の馬 〉         さくまゆみこ編訳 岩波少年文庫 
 アフリカ大陸のあちこちで語られてきた民話集。以前は他の出版社からずしりと手ごたえのあるハードカバー版で出ていたものです。あの重みのある本の味も捨て難いのですが、この度の少年文庫版はもっと気軽に手に取って読みたくなるような 気安さがあり、より多くの子どもたちに楽しんでもらえるかもしれません。
 「カムワチと小さなしゃれこうべ」 「ヘビのお嫁さん」「悪魔をだましたふたご」「あかつきの王女の物語」など題名を聞いただけでワクワクするようなお話が13話おさめられています。


 
 『夜の闇の世界は、人間の想像力をとき放ち、昼間の太陽の下では見ることのできない世界へと私たちを導いてくれます。』 『読者のみなさん、なるべくなら夜、窓を開け放って、そして、アフリカのおじいさんおばあさんに話してもらっているような気持になって、この本を読んでいただければ…。』 と編訳者のあとがきにあります。魔法の話や、不思議な精霊や魔神の出てくるものを集めたお話集ぜひお楽しみください!